経皮的血管拡張術(VAIVT)について

経皮的血管拡張術(VAIVT)について

血液透析を受けられている患者様にとってシャントは命綱であり、その作製、修復には高い技術を有する医師が必要である。我々 せいいかいメディカルグループでは血液透析センターにシャントセンタを併設し多くの透析患者様のシャント治療を行っております。治療総数は年間1500名に対応、総治療数は10年で15000例を超えています。シャント治療に精通した腎臓内科医師、心臓血管外科医師数名が治療を行うDocterSクリニックです。

血管拡張術(VAIVT) PTAを受けられる患者様へ

経皮的血管形成術(PTA)とは?

経費的血管拡張術→VAIVTとは透析患者さんのシャント狭窄を改善させる治療法で昔はPTAと言われていました。現在でもPTAとも呼ばれています。
透析患者さんにとって、自己血管内シャントや人工血管などによるバスキュラーアクセスは安定した透析を行うための命綱であり、閉塞や狭窄により使用できなくなると命にかかわります。
内シャントや人工血管が狭窄してうまく血液が流れなくなってしまった場合、放置すると閉塞してしまうため、皮膚の外から血管に血管を広げる風船(バルーン)を挿入し、内側から拡張させる治療が行われることがあります。この治療を経皮的血管形成術(VAIVTorPTA)といいます。閉塞や狭窄は自己血管内シャント・人工血管内シャントにかかわらず起こりうる問題ですが、人工血管移植術後の患者さんの場合、人工血管―静脈吻合部付近に狭窄病変ができることが多く、経皮的血管形成術(PTA)を受ける頻度が高いといわれています。そのため、狭窄部位にステント留置を行うこともあります

経皮的血管形成術(PTA)ができないケースは?
経皮的血管形成術(PTA)をする際、バルーンを確実に狭窄部に挿入するためガイドワイヤーを先に通す必要がありますが、血管の狭窄病変によってはこのガイドワイヤーがうまく通らないことがあります。ガイドワイヤーが通らないとバルーンで拡張できません。また、経皮的血管形成術(PTA)を行っても短期間で狭窄してしまう場合、経皮的血管形成術(PTA)を行わず、内シャントを作り直すことがあります。

 

経皮的血管形成術(PTA)のメリットは侵襲性の低さにある
経皮的血管形成術(PTA)はカテーテルで行われるため、全身麻酔も大きな皮膚切開も不要で、侵襲が低い(患者さんの身体的負担が少ない)ことが最大の特徴です。また、ガイドワイヤーが通れば施行可能な治療であるため、比較的実施しやすい手技であるともいえます。
当院では原則超音波ガイド下経皮的血管形成術(超音波ガイド下PTA)を行いますので造影剤によるアレルギー反応の心配がありません。放射線も使用しhませんので被爆の危険もありません。
合併症
出血、血腫(皮下血腫)

    1.基本的にバファリン、ワーファリンなどの抗凝固剤は継続してPTA治療を行います。それは拡張をする際に一時的血流がなくなるので血栓を予防するために使用します。皮下血腫とは血の塊が血管の外に漏れ出すことです。少量の血腫であれば経過観察をして自然に吸収するのを待ちます。まれに、血管が破裂してしまうことがあります。その際はシャントを結紮し、流れを止めてしまう処置が必要があります。後日、手術にて再度シャントを作り直しさせていただきます。
    2.疼痛
     基本的に拡げる場所には局所麻酔を行いますが、違和感、不快感がともなうこともあります。深い場所では局所麻酔が効きにくい場所もあります。
     当院では特別な麻酔の方法にて多くの患者様が痛みを伴わず治療を受けられています。麻酔に伴う痛みは回避できませんが極細い穿刺針を使用し処置を行わせていただいております。
    3.血管損傷
     血管が石灰化などにより脆弱化している場合にバルーンを膨らました際に一部、傷ついて出血することがあります。
     非常に稀ではありますが、ひどい血管損傷の場合は皮膚をきり、血管の修復になることもあります。
    4.再狭窄
     狭くなっている場所が静脈弁(逆流を防止する弁)の石灰化によるものの場合、再発(再狭窄)が多いといわれています。数回PTAを行っても改善しない場合はステント留置をすることをしております。部分的に外科手術での対応が必要なこともあります。